島&都市デュアルで教育移住を考えるVol.3
「洲本市・前編」顔の見える、地域のつながりを大切に

「都市の文化」と「自然」が共存するエリア、神戸市、芦屋市、淡路市、洲本市の各市に、ネットではなかなか調べても出てこない各地域の教育情報を聞いてきました。

都会の喧騒から離れて、自然のなかで自分たちらしい子育てをしたいと考えている人が増えている昨今。でも、実際のところ、都会とは違ったどんな教育が行われているのか、気になるところでもあります。そこで今回、「島&都市デュアル」に参加する淡路島の洲本市に、島のまちならではの教育情報を聞いてきました。

洲本市は淡路島のちょうど真ん中に位置します。裁判所や法務局や淡路島で一番大きい郵便局などもここに所在し、会社勤めをする人の数もおそらくここが一番多く、淡路島の中で一番都会的なエリアとも言える場所です。一方で温泉街や夏には島外の人で賑わう大浜海水浴場なども有する観光地の顔や、国指定史跡の洲本城が残る城下町の顔も持っています。そんな洲本市では、どんな子育てに注力しているのか聞いてきました。

*この記事に掲載されている内容はすべて2018年8月1日時点のものです

*この記事では市で行われている特徴的な子育て施策についてのみ言及しており、その全てではありません

洲本市の未就学児への取り組み
「顔の見える、地域のつながりを大切に」

時友(以下、時)まずは、未就学児への洲本市ならではの取り組みについて教えてください。

洲本市担当(以下、洲) 転勤や移住で、親族も友達もいない状態のなか子育てをするのってどうしても不安がありますよね。そんな方の助けにもなれるよう、「地域のつながり」「顔の見えるつながり」をテーマに、子育てに困ったときに行ける場所、相談できる相手があるようにしています。もちろん、どこの都市でも全天候型の子育て支援の場はあり、兵庫県では「子育て学習センター」という名称で呼ばれていますが、洲本市にはその「子育て学習センター」が2カ所あり、それぞれでたくさんの親子向けイベントが実施されているのが特徴です。年間利用者は延べ28,000人、一日平均15組が利用している計算です。

洲本市_五色すこやか子育てセンターイベントチラシ

 すごい。そんなに利用者がいるんですか。

 そうなんです。年1回運動会も開催していて、五色すこやか子育てセンターでは、参加者と見学者で毎回600-700人にもなります。運営の手伝いにも有志で参加してもらうので、そこでもつながりができることも多いですね。あと、洲本子育て学習センターと五色すこやか子育てセンターには、子育ての知識と経験を有する選任の者が、それぞれ3人いて子育ての相談もできるようになっています。

洲本市_運動会

時 ただ、なかには子育て学習センターのような施設は敷居が高いという人もいますよね?

 そういう方のためには、市立保育所・保育園・幼稚園の園庭を開放してお子さんと保護者に来てもらい、保育士に相談できる機会を毎月各場所1回(合計毎月10回弱)設けています。あとは、洲本市の中心部にあるイオンで月に1回、そのほかの拠点でも月に1回「ままくらぶ」というのを開催しています。ここには助産師さんが来てくれて、授乳のことなども含め、細かい相談がお買い物ついでに気軽にできる機会として利用されています。

洲本市_乳児健診・相談

時 それは嬉しいですね。特に初めての出産のときは助産師さんに聞きたいことだらけですものね。

洲 実は洲本市では、地域の助産師さんの活躍がめざましいのです。「笑顔母乳相談室」という週3回開いている助産院があり、洲本市の産後ケアとして、施設最大4日間利用できます。ここでは、産後のお母さんの体のこと、おっぱいの悩み(張りや痛み、赤ちゃんが上手く飲んでくれない、おっぱいが足りているか心配など)、赤ちゃんのお風呂など育児の仕方、卒乳の手当てなど、さまざまな相談ができます。行くのが難しい場合は相談により助産師が家庭訪問もしてくれます。

洲本市_母子健康包括支援センター助産師

時 それ以外でも、力をいれていることはありますか?

 最近よく話題になる子どもの発達についても、相談できるつながりを持てる機会を設けています。2カ月に一度、子どもの発達で悩んだことがある経験者同志で集まる「マーチの会」というのを開催しています。ここにはあらゆる年齢の子どもを持つ親が参加していて、子どもがまだ小さい親御さんと、もう子どもが大きくなっている親御さんの、両方の話が聴けます。今の心配ごとだけでなく、今後の成長についての相談もできるので、とても良い機会になっているようです。さらに参加者の皆さんがLINEでつながり、会の外でも相談しあっているようです。

 母子手帳を取りに行ったときにもらえる「子育てハンドブック」も、とても見やすくてびっくりしました。特に、子育て応援カレンダーや子育てマップが痒い所に手が届く感じの完成度です。

 ありがとうございます。これにはかなり力を入れています(笑)。洲本市の子育て応援キャラクターの「なのは」はご存知ですか?洲本市のシンボル花である菜の花の妖精なのですけど、SNSで子育てにまつわる情報発信もしてくれているんですよ。

洲本市子育てハンドブック画像 (1)

洲本市子育てハンドブック画像 (2)

キャプション:子育てハンドブックにはパラパラ漫画まで!

洲本市_なのは

キャプション:洲本市の子育てキャラクターのなのは

 子育てに役立つ情報が一貫して見られるのはわかりやすくていいですね。市のホームページに探しに行かなくても情報がとれるのはすごく助かります!

洲本市の教育情報 後編に続く

 

洲本市の保育施設一覧

洲本市保育所一覧

洲本子育て学習センター
洲本子育て学習センター 洲本市山手3丁目3-2 0799-24-3374
五色すこやか子育てセンター 洲本市五色町都志170(五色中央公民館内)0799-33-1935

なのはくらぶ
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この暮らし体験のナビゲーターについて

デュアルライフ研究所 時友真理子

自然と文化のいいとこどりできる、これからの新しい暮らし方、「デュアルライフ」について研究します。

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