芦屋で、特に山手のほうで隣人関係をつくるのは、他の土地よりもちょっと難しいと思います。皆さんとてもお行儀が良くてきちんとしていますが、その分、余計な交わりを少なくして静かに暮らしたい人が多いからです。
かくいう私も、仕事が忙しくてほとんど家にいない生活だったこともあって、芦屋に引っ越してきてから15年間、誰に声を掛けられることもなく、一人の知り合いも友達もできませんでした。
そんな私の暮らしを激変させたのが犬でした。7年前に一匹の柴犬を飼い始めたところ、見る見るうちにワン友ができたのです。
素手なら「こんにちは」と声を掛けるのもなんとなく憚られますが、犬を連れた同士ならそれだけでなんとなく会話が始まります。そのうちに写メしたお互いの愛犬の写真を交換するためにメアドを教え合ったり、散歩帰りにうちで一緒にお茶をするようになったり…。半年も経つと、それまで寝に帰るだけだった芦屋暮らしにも温かな彩が出てきました。
ワン友は世代を超えた情報源でもあります。犬好きの子どもや、朝の公園で井戸端会議をしているおばあちゃん集団とも交流するようになり、夫との二人暮らしでは気付かなかったことが見えてくることもよくあり、時に助かっています。
もしご近所コミュニケーションが少なくて寂しいなと思っているなら、犬を飼ってみてはどうでしょう。犬を通してまちや人を知り、笑顔や友達が増えることうけあいですよ。