漁師町の老舗魚屋さんが伝授する「さばける女になるツアー」レポート

淡路島の最北部、対岸は神戸という漁師町・岩屋で開催された「さばける女になるツアー」。ツアーの様子をナビゲーターの堺野菜穂子がレポートします。

漁師町の老舗魚屋さんが魚のさばき方を伝授する「さばける女になるツアー」。実は7月に開催されるはずだったのですが、豪雨で明石海峡大橋が通行止めとなり、やむなく中止となりました。まだ夏の食材が獲れるうちにという熱い思いから、さわやかな晴天のもと、9月28日に満を持してツアーが開催されました!

淡路島の玄関口、岩屋へ!

明石と淡路島を結ぶ高速船が発着する岩屋ポートビルに、さばける女を目指す女子11名が集合しました。ここから岩屋の街歩きからスタートです。(レトロな岩屋の街歩きの様子はこちらをご覧ください。)

岩屋の街歩きと道の駅あわじでランチのあと、岩屋漁港へセリ見学に。昼網が一般的な淡路島では、近海で漁を終えた船がお昼前に続々と港に戻ってきます。
この日は長雨が続いている今年の天候のなかで久々のスカッとした晴れ間となりました。この翌日からは台風が近づいて天気は下り坂となり、まさに奇跡の秋晴れ。天高く・・・ときたら、やっぱり美味しいもの、ですよね!

岩屋漁港では獲れたばかりの海の幸が、いけすの中でセリにかかるのを待っています

岩屋漁港では獲れたばかりの海の幸が、いけすの中でセリにかかるのを待っています。

岩屋漁港

漁師さんや仲買人など、多くの人がテキパキ動き、活気溢れる漁港の様子に気分があがります。ガイドをしてくれる地元の人たちの案内で、建物の中から間近でセリの様子を見学させてもらえました。

岩屋漁港

セリは場所によって様々なスタイルがありますが、淡路島では木の板に金額を記入して入札するスタイル。木の板がリズムよくポンポンと飛び交う様は見ていて飽きないし、目の前でどんどんセリ落とされて行くスピード感は迫力です。

いよいよ「さばける女」への修行がはじまる!

この日さばくのは、もちろん岩屋で揚がった海の幸。セリ落とした魚が待つ会場へ歩いて移動します。さてさて、どんな海の幸がまっているのでしょうか?そして、それらをさばき、念願のさばける女になることはできるのか?あードキドキ!

さばける女になるツアー

これは会場の建物から見える風景。目の前には海と漁船、その向こうには神戸の街並みが。都会からたったこれだけの距離で、これだけのリゾート感!ロケーションだけでも贅沢な気分ですが、このあと更なる贅沢が参加者たちを待っていました。

昼は漁師、夜は寿司屋。魚の扱いを知り尽くした「もんさん」登場

「さばける女」への道を伝授してくれるのは、岩屋の老舗鮮魚店で人気の寿司店「林屋」のもんさん。漁師さんでもあります。もんさんに直々に伝授してもらえるというだけで贅沢ですが、この日の食材は鯛・ハモ・タコの高級食材トリオ。どれも大きいし、しかもまだ動いています。「大きい方がさばきやすいから」という主催者さんの心遣いと、淡路島の海の豊かさに感動。これはさばける女になるしかない!

さばける女になるツアー

まずは鯛のさばき方。もんさんが解説をしながらさばく手元を、参加者がしっかり目で覚えます。もんさんの包丁さばきに、さばける女候補生たちからは思わずため息が。

今回は半身を刺身用に、残りの半身を煮付け用にさばきます。
仕上がりの目標はこんなかんじ。

さばける女になるツアー 鯛

そして、さばける女候補生たちの調理台には、立派な鯛と包丁が用意され、いよいよ実践です!

鯛

さばける女への課題1「鯛」

鯛をさばき中

立派な鯛を目の前に、緊張ぎみのさばける女候補生ですが心配ご無用。もんさんや、地元の民宿の大将、海の家のオーナーや漁師さんが包丁や手の使い方を丁寧に指導してくれます。

鯛さばき中

最初はぎこちなかった鯛をさばく手つきも、コツをつかんで徐々にスムーズに。
さばける女への道も近づいてきて、余裕の笑顔!

 

さばける女への課題2「ハモ」

ハモ

次に登場したのはハモ。こちらも、もんさんの解説のあと、ひとり1匹を骨切りしていきます。
ハモは皮の近くまで骨があるため、しっかり骨切りを行わないと食べることができないそうです。もし骨切りがしっかりできなかったら食べられなくなってしまうというプレッシャーのもと、いざチャレンジ。

ハモ

まな板からはみ出るほどの大きさのハモに、ひとつひとつ慎重に包丁を入れていきます。
「じゃりっ」という手応えのある音でしっかり切れているように思っても、まだ皮の近くに骨が残っていたり、さばける女候補生たちは悪戦苦闘。ちゃんと切れているかどうかは、湯引きして食べてみるまで結果はわかりません。果たして無事に食べることができるのか?

 

さばける女への課題3「タコ」

蛸

最後の課題はこれまた新鮮なタコです。
さばける女候補生たちも、手に吸い付くタコの目の間に包丁を入れて絞め、頭を裏返して内臓と口を取り除き、たっぷりの塩でキュッキュッと塩もみ。たくましい!

蛸の塩もみ

タコはぬめり取りが命。そして、しっかり揉むことで柔らかくなるそうです。

蛸

姿カタチのよい茹でダコにするためには、足がクルンとなるように、足先を沸騰したお湯に何回かつけてから全体を茹でるのがコツ。

蛸

茹でたタコは氷水で締めて完了!
このタコを、お店で出てくるような波型の切れ目になるように包丁を入れて切り身にします。ここまでできたら気分はプロの料理人。参加者の目は『さばける女』になった自信でキラキラ輝いています!

 

お待たせしました。いよいよ試食タイムです!

ここで、なんと、主催者さんのサプライズでお寿司のシャリマシーンが登場!家電ではなく、業務用マシーンの登場にテンションマックス。シャリに、さばいたばかりの鯛やタコの切り身をのせてのつまみ食いは至福のひととき♪

自分でさばいた鯛、ハモ、タコは、刺身や煮付け、湯引きなどの立派な献立に。自分でさばいたお魚は美味しさもひとしお。そのできばえに、さばける女になれたことを実感です!

さばける女になるツアー

他にも、自分で具をのせてつくるちらし寿司や、ハモのお吸い物も用意してくださり、お腹もいっぱいに。そして、なんと自宅での復習用に鯛とタコのお土産つきと至れり尽くせりでした!

今回のツアーは泊りがけで参加する人も。希望者には宿の紹介もしてくださるそうです。文字通り、地元の方たちの協力なしではできなかったツアーでした。

北淡路ブランド協議会の皆さま、なんとも贅沢で大満足なツアーを主催していただき、ありがとうございました。

これからも、いろいろと楽しいイベントを企画しているそうなので「淡路島の生しらす」ホームページやfacebookも要チェックです!

http://www.awajishima-namashirasu.com

 

この暮らし体験のナビゲーターについて

堺野菜穂子

神奈川県横浜市出身。兵庫県宝塚市を経て、5年前から淡路市在住。
ノマド村のショップ「キクハナ 」店主。暮らしと働くを近くに!をテーマにまずは自分の暮らしを実践中。

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