島の仕事とくらしvol.4 〜おのころ藍 Awaji 藍Land Project 根岸誠一・えりーにさん<後編>~

Awaji 藍Land Project 根岸誠一さんとえりーにさんを淡路市暮らしナビゲーターの堺野菜穂子が訪ねました。

2013年に大阪から淡路に移住し、大阪との2拠点居住を経て、オーガニック藍の栽培から本建正(ほんだてしょう)藍染、商品開発までを行うようになったAwaji 藍Land Project 根岸誠一さんとえりーにさんを淡路市暮らしナビゲーターの堺野菜穂子が訪ねました。

たくさんの人とのつながりから生まれた「おのころ藍」

平日は淡路島で暮らし、週末は大阪に住んで、大阪や神戸でそれぞれの仕事をする2拠点生活を始めた誠一さんとえりーにさん。これまでも茜など草木染めの材料となる植物を育てていた2人は、友人からプレゼントされた藍の種をまずはプランターで栽培してみることにしました。そして、たくましく育つ藍の生命力に驚いたそう。栽培した藍は生葉のたたき染めから試し、できた作品は空間デザインのデコレーションにも取り入れていきました。さらに淡路島でオーガニックスイーツを作る友人と藍の葉クッキーを作るなど、島内の人たちとのコラボレーションに目覚めたのもこの頃。誠一さんもえりーにさんも淡路島での暮らしの比重が大きくなり、自然と藍を中心とした自分たちの仕事について考え始めるようになりました。

そして、偶然、知人のSNSで、徳島県海南町で藍染製品を製造販売する会社で半年のあいだ、藍の栽培を手伝う求人募集をしていることを知り、誠一さんは単身赴任を即決します。誠一さんの就業期間の最後の1ヶ月は、えりーにさんも藍の染色技術を学ばせてもらう機会に恵まれ、淡路島に戻った2人はいよいよ淡路島で「おのころ藍」を育て、広めていく活動を始めることになります。

とはいえ、藍の栽培に適した、まとまった畑を借りることは容易なことではなく、淡路島でできたオーガニックに関心の高い仲間の畑の一部で藍を栽培してもらうプロジェクトを開始することに。そしてこのプロジェクトから、種から無農薬で育てて収穫した「おのころ藍」で作った“すくも”と、淡路島の木で作った灰汁を使って行った本建(ほんだて)正(しょう)藍染を広めていく「Awaji 藍 Land Project」が始まったのでした。

今では、淡路島で古くから創業するメリヤス工場に編んでもらった特注の靴下を藍染にした『WA WA WA(輪 環 和)』や、淡路島で暮らす女性たちによる暮らしによりそう日常着「島のふく- HAREGI」の染色など、様々なコラボレーションが生まれています。工房では、そうしたオリジナル商品が買えると同時に藍染体験(要予約)もできるので、淡路島での新しい暮らし方が垣間見えるスポットとして、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょう。

この暮らし体験のナビゲーターについて

堺野菜穂子

神奈川県横浜市出身。兵庫県宝塚市を経て、5年前から淡路市在住。
ノマド村のショップ「キクハナ 」店主。暮らしと働くを近くに!をテーマにまずは自分の暮らしを実践中。

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