デュアルな暮らし人【2】 淡路に暮らし神戸の会社に勤務する時友さん一家

自分のための時間を持てる贅沢さ。

約1年前に東京から淡路島北部にある淡路市へと移住してきた時友さんご一家。ご主人の基吉さんは、淡路市に暮らしながら平日は神戸のオフィスで働く、“島で暮らし都市で働く”デュアル人です。
淡路への移住は、淡路で暮らす友人からの「君たちには淡路の暮らしが向いていると思うよ」という、何気ないひと言がきっかけだったそう。
「淡路へ遊びに行くうちに島の魅力にどっぷりとハマってしまって。その時ちょうど神戸転勤の話が持ち上がり、ならば!と島への移住を決意しました。」

時友さん一家が暮らす淡路市の自宅から神戸のオフィスへは、高速バスでわずか1時間ほど。
「書類を作ったり、本を読んだり、仮眠できたりと、移動中の時間を自分のために自由に使っています。仕事へのON/OFFもつけやすくなりましたね。東京に住んでいる時は、毎朝ぎゅうぎゅう詰めの電車に揺られ、耐えながら出勤する感じでしたが、今は晴れの日や雨の日と毎日違った海の景色を眺められながら通勤できる。東京の時ではあり得なかった、贅沢な時間と空間だなと感じています」

淡路島と神戸を結ぶ高速バス。始発駅から乗車できるため「確実に座って出勤できるのも、

東京の生活ではなかなかで叶わなかったこと」と基吉さん。

淡路で暮らすようになってから感じたのは、ゆるりとした島特有の時間の流れ。
「東京とは時間の流れが全く違いますね。東京にいた頃は毎日刺激があって楽しかったのですが、常に何かに追われている感じがしていました。淡路はいい意味で外部と遮断されてしまうため、その分自分や家族のことを考える時間が増えました。そこが“生活が豊かになった”と感じる一番のポイントかもしれません」

休日は料理上手な友人宅に集まって皆で夕飯を。テーブルには島の新鮮な食材を使った料理が並びます。

食の豊かさと人のあたたかさに感動!

「淡路はとにかく食がすごいんです」と笑顔で話す奥様の真理子さん。
「淡路で暮らすようになってから、食材の鮮度の良さに驚きました。毎朝、近くの農産物直売所に採れたての野菜が並びます。魚は目の前の漁港にあがったものがその日のお昼には魚屋さんに並び、お肉も朝締めのものが食べられます。フルーツも、ビワやイチジクをはじめ、ミカンにブドウ、イチゴ、梨など、多種類が四季を通して島のどこかで作られています。どんな食材も採れたて、摘みたて! 新鮮なので、東京で手に入るものとこんなにも味が全然違うのか!とびっくりしました。毎日の食生活をこんなにも豊かに過ごせるなんて、本当に贅沢なことですよね」

「淡路に来てからスーパーで買物をすることがほぼなくなりました」と真理子さん。収穫の時期になると、お米や野菜を農家の人から直接分けてもらえることも。

淡路暮らしをスタートしてからほどなくして子どもを授かった真理子さん。
「妊娠中から近所の喫茶店のおばさんや不動産屋さんのおじさんが、まるで両親のような接し方をしてくれました。息子が生まれてからも、近所の人たちが息子の名前を覚えてくれていて、遊びに行くと必ず抱っこしてくれたり、ベビーカーを押しながらお店の前を通ると中からわざわざ挨拶しに来てくれたりして。ここは実家から離れているし親戚もいないけれど、全然寂しくなくて(笑)。近所のおじさんおばさん、おじいちゃんおばあちゃんが親戚みたいな感じで接してくれていてすごく助かっています」

基吉さんも「淡路の人は素朴で謙虚な方がすごく多い印象。“島に行くと人間関係が濃すぎて大変だよ”なんて話を移住前によく耳にしましたが、お付き合いしてみると本当に優しい方たちばかりで。東京では近所付き合いはなかったので、日々新鮮な気持ちです」と笑います。

「淡路島は本当に都会に近い離島だと思うんです」とおふたり。

 

「食が良く、精神的にいい環境がそろっていて人間らしい生活ができる場所。何か刺激がほしい時には、東京をはじめ、四国や九州も近いので、自分を大事にしながらしっかりと働きたい人にはぴったりの場所だと思います。移住に興味を持っている人は、まず一歩踏み出してほしいですね。今いる場所とは全然違う、新しい世界を感じてほしいです」

 

 

 

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