10月20日、秋晴れの土曜日。神戸市=港町というイメージとは真逆の田舎風景広がる北区淡河町にある「つるまき農園」で、ケータイにも PC にも無縁になる一日を体験しました。
京都や芦屋から来た単身者や須磨区から来た未就学児の親子連れなど、大人12人(企画者含む)とこども 4 人が集まり、まずはこのツアーの内容説明とそれぞれの自己紹介からスタート。そんな大人たちを横目にこどもたちは既に自分のペースで遊び、のんびりしています(笑)
自己紹介で述べられた参加理由は次のようなことでした。
「あと何分で乗り継ぎとか、すぐに返事しなくちゃとか、時間に追われている日々。今日はそんなことから解放されて、ボーっとしたいです」
「最近、移動中に必要もないのに習慣的に携帯を見ていると感じていて….今日はこの時間を楽しみたい!」
「ご飯の時間、寝る時間とか、こどもといると時計を見ながら過ごしてしまい、私自身がイライラしている…今日はこどものペースにあわせて過ごしたい」
などという声が聞こえて来ました。
果たして、イベント終了後にどんな感想が聞けるのでしょうか?!
自己紹介が終わり、とてもユニークな 5 箇条が発表されました。
① 携帯、時計没収
② 沈黙は気にしない(こどもがいるのでおそらく無理…)
③ 食事はご自由に(食材はあるけれど、時間も担当も決まっていません)
④ 芋掘りできます(好きな時に 2 株掘ってください)
⑤ 自分の子も人の子も、みんなで一緒に見守りましょう
いよいよデジタルデトックスが始まります。とその前に、今日のツアーで最も大切なメインイベントが・・・。そう、スマホ、ケータイ、そして時計を集めて封印するという儀式です。
いつも肌身離さず持っているこれらを手放して、みんななんだかそわそわ。落ち着かない空気が漂う中で、イベントがスタートしました。
さて、そんなみなさんがいったいどんなことを始めたかといいますと・・・・。
キャッチボールをしたり(親子ではありません!)、
家族仲良くお散歩していたり、
夫婦で夢中で芋掘りしていたり、
散歩で拾った柿をむいてもらっていたり、
0 歳同士、縁側で仲良くゴロンとしていたり。
みんなそれぞれのペースで、やりたいことをしていました。
そして、2 時間ほど経った頃、そろそろお腹が空いた人が動き出したようです!
でもそれは 12 時になったからではありませんでした。誰かが「お腹空いたね〜」と言い出して、その声を聞いてキッチンに人が集まって来たのです。
わいわい盛り上がるおしゃべりの中から、トントントン♪と軽やかな音が聞こえて来ます。
そして、なにやら外ではギシギシとノコギリで何かを切る音が…
火を起こすための木を切っていました。(こどもにとっては人生初の体験!)
こちらは火起こしチーム!
切った野菜を入れて、グツグツと煮込みます。
出来上がりを待っている人たちもいます(それでよいのです)。
読書をしたり、
ボーっと外を見たり。
これって、なかなか日常にない時間ですよね。
あれ、いい匂いがしてきましたよ!
たっぷり具沢山の芋煮汁の完成!!
新米のご飯とお新香とともに、いただきます!
これまた自由。みなさん、自分の好きな場所で食べていました。
とここでアラームが鳴って、イベントは最後の「振り返り」に入りました。
振り返るのは、ケータイや時計なしの 4 時間を過ごしてみて、いま自分がどう感じているか。まずは各自で内省した後で、みんなで感じたことを共有し合いました。
・あえてケータイを持たないということで、ゆったり自分のペースでいられた。こういう時間を作らなくてはと思った。
・思ったよりあっというまで早かった。自分がしたいと思うことをする時間って、心地よい!
・ケータイが鳴らないだけで、こんなにもノンストレス!こういう時間を求めている自分がいた。
・スマホを持って隙間時間を有効活用していると便利で豊かな気がしていたけど、奪われているものがあるということに気づいた。
・時間の縛りをなくしてこどものペースにあわせてみたら、こどもが自分でご飯を食べ、片付けをしていた姿に驚いた。家でもやっていきたいと思った。
・何もしないことの豊かさを感じた。
などなど、たくさんの気づきがあったようです。
最後はお鍋の下で焼いていた安納芋をみんなで食べて解散!!
この企画はこの場所ではできないことではなく、他の場所でもできるので、神戸市の他の場所で、そして芦屋・淡路・洲本の地でも開催してみたいなと、私たち主催側も思う時間でした。
参加者だけでなく私たち主宰者もいろいろなことを思いました。
まず思ったのは、この企画を他の場所でも開催してみたいということ。神戸市の他の土地、島&都市デュアルの仲間である芦屋市、淡路市、洲本市。それぞれの土地が持つ特徴や場を生かして、いろいろなカタチのデジタルデトックスを考えてみたらきっと楽しいなと気付いたのです。
さらには、デジタルデトックスを、まずはイベントで体験した人たちが、次は自分の暮らしの中でやってみてはどうか、とも思いました。それは、自分が何を大事にして生きたいのかを改めて考えてみるきっかけになりそうです。
そしてなにより、わずか 4 時間の間にたくさんの気付きや発見があったことが素敵でした。
自分も人も幸せになれる次の企画を、また考えなくっちゃ!